お悩み・目的別 食事法

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下痢

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監修

医学博士 根本英幸 
管理栄養士 石井尚美

 急性のものは風邪や食中毒などの感染性が原因のタイプ、水分吸収が不十分で起こるタイプ、ストレス等で腸が過剰に活動するタイプがあります。

多くの急性の下痢は食事・生活習慣をととのえることで改善します。1か月以上続く慢性の下痢は、過敏性腸症候群(IBS)や潰瘍性大腸炎などが主な原因となっており、病院で診てもらうことをお勧めします。食生活を改善して下痢を予防しましょう。

おすすめの栄養成分と食品


1.でんぷん質の流動食を取り入れましょう。
●本葛粉で作った葛湯、重湯など

2.消化を助ける、消化酵素の多い食品を取り入れましょう。
●山芋(生)、麹菌で発酵させた食品(生味噌、玄米発酵食品など)

3.タンニンは腸のけいれんを止め、便を固める働きがあるので、取り入れましょう。
●蓮根、緑茶、紅茶

4.腸内の善玉菌を増やすものを取り入れましょう。
●オリゴ糖、乳酸菌やビフィズス菌の多い食品

5.主食は、胚芽米、分づき米を使いましょう。玄米食は胃に負担がかかるため、避けたほうがよいです。 ただし玄米粥や、繊維が微粉末となっている玄米粉・玄米発酵食品などは少量なら問題ありません

6.副食は「ま・ご・わ・や・さ・し・い・こ」を上手にとりいれましょう。
●まめ、ごま(種実類)、わかめ(海藻)、やさい、さかな(魚介類)、しいたけ(きのこ)、いも類、はっこう食品
*ただし食物繊維(根菜類、海藻、きのこ)が多くなり過ぎないように気を付けましょう。

控えめにしたい食品


1.脂質の多い食品を控えましょう。
●油料理、揚げ物、スナック菓子など
*脂質の摂取は通常の3分の2くらいに控えましょう

2.刺激物、香辛料は控えましょう。
●胡椒、唐辛子、ワサビなど

3.アルコール飲料、コーヒー、冷たい飲食物、炭酸飲料は避けましょう

4.砂糖の入ったドリンク類は避けましょう

5.食物繊維を摂り過ぎないように気を付けましょう。
●海藻、こんにゃく、きのこ類、根菜類

食事と生活習慣のポイント


1.下痢により、体液が失われやすいので水分を補給しましょう。また、種々のミネラルの喪失も起こるので、努めてミネラルの補給も行いましょう。

2.規則正しい食生活を心掛けましょう。

3.1~2食絶食して、下痢が軽くなってきたら、全粥から始め1~2日のうちに普通食に戻します。

4.一般的には消化のよいものが勧められます。しかし単に調理法によって食物形態を柔らかくし、咀嚼をあまりしないですむ方法よりは、咀嚼を積極的に行って唾液の分泌を促し、食べ物と唾液とをよく混合させ消化しやすくすることが大切です。

下痢の原因


心当たりがある場合は、対策をとりましょう。
  • 食べ過ぎや早食い、就寝前に食事をした場合などの消化不良
  • 飲酒や油脂を大量に摂取した時・コーヒーや辛い食品など刺激物の大量摂取・乳糖不耐症のある人が乳製品を取った時 ・人工甘味料を大量に取った時・精神的ストレスがある時
  • 有毒物質、ウイルスや細菌などの感染による食中毒

次の症状のある時は医師(内科)の診察を受け、下痢の原因をはっきりさせましょう。

  • 下痢便の中に、血液、粘膜、膿、不消化物など、ふだん見られないものが混じっている。
  • 下痢便の色が、白色、灰色、赤色、黒色、緑色など、ふだん見たことのない色をしている。
  • 便が腐ったような、すえたような臭いがする。
  • 下痢以外に発熱、激しい腹痛、吐き気、嘔吐、その他の病気らしい症状を伴うとき。




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