お悩み・目的別 食事法

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便秘

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監修

医学博士 根本英幸
管理栄養士 石井尚美

本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態です。

回数や便の量は個人により違い、残便感がなくすっきりと出ている場合は健康です。

腸の動きが弱まってしっかりと便を送り出せないタイプ、排便反射が弱いタイプ、ストレスによる腸の緊張からくるタイプの便秘があります。

食物繊維をとること、運動をすること、ストレスをためないこと、便意は必要以上に我慢しないことが大切です。

おすすめの栄養成分と食品


1.主食を未精白穀物にするなど、不溶性食物繊維を取ります。ぜん動運動を促し、便の量を増やし、弛緩性便秘に有効です。
●玄米や分づき米、玄米発酵食品、全粒粉で作ったパンや麺類、そば、根菜類、大豆、小豆など
*ただし不溶性食物繊維は、水分が不足すると、便を固くする場合があります。充分に水分を取りましょう。

2.水溶性食物繊維を多く取ります。便を柔らかくし、腸の働きを整えます。
●寒天、海藻類、りんご

3.発酵食品(納豆、漬物)、ビフィズス菌や乳酸菌を含む食品を摂りましょう。

4.オリゴ糖は善玉菌(ビフィズス菌)を増やします。
●大豆、玉葱、ごぼう

5.腸を刺激する食品をとりましょう。
●果物、酢、炭酸飲料など

6.飽和脂肪酸を含まない脂質をとりましょう。腸内で潤滑油的な作用があります。
●亜麻仁油、オリーブオイル、こめ油

7.副食は「ま・ご・わ・や・さ・し・い・こ」を上手にとりいれましょう。
●まめ、ごま(種実類)、わかめ(海藻)、やさい、さかな(魚介類)、しいたけ(きのこ)、いも類、はっこう食品

控えめにしたい食品


1.タンニンの多い 紅茶、緑茶、ウーロン茶は、控えめにしましょう。

2.菓子類など、白砂糖を多く含む食品は控えます。

3.刺激物の少ない食事を心がけましょう。
●香辛料、アルコール、油料理など1.タンニンの多い 紅茶、緑茶、ウーロン茶は、控えめにしましょう。

4.けいれん性便秘の場合は、食物繊維、発酵食品、腸を刺激する食品を取り過ぎないようにしましょう。

食事と生活習慣のポイント


1.水分を取りましょう。排便を促す胃・結腸反射は朝にいちばん強く起こるので、朝起き抜けに水分は効果的です。

2.食物繊維の多い食材を取り入れると、ガスが出たり、お腹が張ったりすることがあります。食物繊維が腸内細菌により分解されると、二酸化炭素やメタンガスなどが発生します。継続していると腸内環境が安定しガスは減ってきますが、ひどい場合は食物繊維の摂取量を少なめにして様子を見ましょう。

3.適度な運動を心がけましょう。

4.朝決まった時間に排便する習慣をつけましょう。

5.生活リズムを整えましょう。

6.下腹部のマッサージ、適度な運動を継続します。入浴中にお腹をもむのも効果があります。
おすすめの腸マッサージの方法を紹介します。

7.けいれん性便秘の場合、過労、ストレスが原因となっていることが多いので、休養を充分取るようにします。

8.緩下剤や浣腸は頻繁に使うと、自然な胃・大腸の反射を妨げます。医師の指導の下に使いましょう。

便秘の種類


□便秘は機能性便秘と器質性便秘があります。機能性便秘が慢性的になったものを慢性機能性便秘といい、習慣性便秘ともいいます。
機能性便秘は弛緩性便秘、痙攣性便秘、直腸性便秘の3つに分けられます。

弛緩性便秘:食事量や食物繊維の不足、運動不足、加齢、経産婦などにみられる腹筋力の低下などが原因です。
腸全体の弛緩、拡張や排便反射の鈍麻により、腸の内容物が長く停滞することで、水分の吸収が増し、大便が硬く太い塊になります。

けいれん性便秘:ストレスや過敏性腸症候群による、腸管の自律神経のアンバランスにより起こる便秘です。
大腸の運動と緊張が亢進した場合、けいれん性収縮を起こし、腸内容物の通過が障害されて便秘が起きます。
便は兎様便で少量。便秘と下痢を繰り返すことがあります。

直腸性便秘:直腸の排泄反射の減退で起こる便秘です。
便は太く、分割便になりやすい。習慣性便秘ともいわれ、仕事の都合などで便意を我慢する習慣の人に多くみられます。
下剤や浣腸の乱用をすることによっても起こります。





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