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糖尿病(II型糖尿病)

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監修

医学博士 根本英幸
管理栄養士 石井尚美
 

 症状が進行すると、喉が渇く、だるい、眠いなどの症状を感じるようになり、さらに進行すると体重減少、全身のかゆみ、視力の低下などがみられます。さらに長期間、血糖値が高い状態が続くと糖尿病性の網膜症、腎症、神経障害、高血圧、心筋梗塞など重大な合併症を引き起こします。食事制限による体重減少など、食事療法で病態の改善ができるケースが多いです。生活習慣の悪化によるインスリン抵抗性、遺伝的な要素による血糖値を下げるインスリン分泌の低下などにより、相対的にインスリン分泌量が足りなくなって発症します。

おすすめの栄養成分と食品


1.主食は未精白穀物・全粒穀物にします。
●玄米や分づき米、玄米発酵食品、そば

2.未精白穀物は、食物繊維が多く糖の吸収がゆっくりで、血糖値の急上昇を防ぎます。
 *食後の血糖値の上がりやすさを示すGI値は、白米>玄米、うどん>そば、白いパン>全粒粉のパン・ライ麦パンです。
  GI値の高い白米、うどん、白いパンは控えましょう。

3.糖の代謝を高めるため、ビタミンB群を充分に取ります。
●玄米、玄米発酵食品、大豆、大豆製品

4.ミネラルのクロムは、正常な糖代謝、脂質代謝の保持に必須です。
●玄米

5.食物繊維を取ります。食事の最初に、食物繊維が多く糖分の少ない食品をとると、食後の血糖値の上昇が抑えられます。
●葉物野菜、だいこん、きゅうり、トマト、ピーマン、もやし、海藻類、きのこ類

6.血糖値を抑える成分を含む食品
●硫化アリル(玉ねぎ)、カテキン(緑茶)

7.抗酸化力の高い食品を取ります。
●野菜、海藻、玄米、大豆、ごま
抗酸化についての詳細はこちら

8.かぼちゃ、にんじん、たまねぎなどの自然の甘みがある食品を利用し、砂糖の使用は控えましょう。

9.副食は「ま・ご・わ・や・さ・し・い・こ」を上手にとりいれましょう。

●まめ、ごま(種実類)、わかめ(海藻)、やさい、さかな(魚介類)、しいたけ(きのこ)、いも類、はっこう食品

控えめにしたい食品


1.白米や小麦粉製品などの精白した穀物は、血糖が上がりやすいので控えめにします。

2.白砂糖、はちみつ、果物、甘い菓子などは糖分の吸収が早いため控えましょう。

3.肉類や乳製品は控えめにし、魚や亜麻仁油などのオメガ3などの良質の油を選びましょう。脂肪は総エネルギーの20~25%にしましょう。

4.動物性食品は控えめにします。たんぱく質は、主に植物性食品で取るようにします。

5.アルコールは控えましょう。

食事と生活習慣のポイント


1.過食を避け、標準体重を維持します。
体重管理の食事法はこちら
食品のエネルギー80Kcalを1点とした食品交換表を参考に、カロリーオーバーにならないよう気をつけます。

2.糖質制限食、低炭水化物ダイエットは、短期的には効果が出る場合もありますが、長期間続けるとデメリットもあるという報告があります。医師・専門家の指導に沿って行いましょう。

3.砂糖の代わりに、血糖値をあげないオリゴ糖を使いましょう。
ただし市販のオリゴ糖の中にはオリゴ糖よりもショ糖(砂糖)が多く含まれている場合があります。
成分表示を見て、余計なものが含まれていないものを選びましょう。

4.間食をするのなら、脂肪分や糖分が少ないものを選びましょう。
小麦粉の代わりに、糖分が少ない「大豆粉」を使ったパン・菓子を選びましょう。

5.適度な運動をします。1日8,000歩を目安に、毎日30分程度早足で歩くようにします。動くことによって、新陳代謝を活発にします。

6.よく噛んでゆっくり食べることが大切です。

7.高血圧の予防が重要です。食塩の取りすぎに注意します。成人男性1日7.5g未満、成人女性1日6.5g未満が目安となっていますが、日本高血圧学会ガイドラインでは1日6g未満、WHOでは1日5g未満となっています。
高血圧対策の食事法はこちら

8.睡眠をしっかりとりましょう。睡眠不足は糖尿病のリスクを高めます。

9.規則正しい生活を心がけます。食事の時間や睡眠時間が不規則にならないようにします。

10.ストレスは血糖値を上げるので、ストレス解消を心がけます。

I型糖尿病とは?


子供や15歳未満の若年者に起こりやすい糖尿病です。インスリンを分泌する細胞(ランゲルハンス島β細胞)が自己免疫により死滅することで、インスリンが作られなくなって発症する糖尿病です。インスリン注射により、血糖をコントロールする必要があります。

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