お悩み・目的別 食事法

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肝臓のトラブル(脂肪肝・肝炎・肝硬変)

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監修

医学博士 根本英幸
管理栄養士 石井尚美

 食事のバランスが悪く、食べ過ぎやお酒、運動不足などにより過剰となったエネルギーが脂肪となって肝臓にたまってしまった状態が脂肪肝です。
近年では、肥満や糖尿病などの生活習慣病が原因で発症する 非アルコール性脂肪肝(NAFL)、非アルコール性の肝炎(NASH)が増えています。ウイルス感染で起こるウイルス肝炎、アルコール性肝障害、中毒性肝障害、薬剤性肝障害などもあります。
肝硬変は、長期にわたって肝細胞が壊される状態(慢性肝炎)で、肝臓がかたくなったり、表面に大小の隆起が生じてきます。
食生活に気を付けて、肝臓のトラブルを防ぎましょう。

おすすめの栄養成分と食品


1.主食は未精白穀物にします。
食物繊維が豊富で、糖の吸収がゆっくりになるため、脂肪がつきにくく、脂肪肝を防ぎます。
●玄米や分づき米、玄米発酵食品、全粒粉で作ったパンや麺類、そば

2.ビタミンB群は、糖質の代謝に働き、脂肪肝を防ぎます。
●玄米、玄米発酵食品、大豆

3.ビタミン・ミネラルを充分に取ります。肝臓に障害がある場合、ビタミン・ミネラル類の貯蔵状態が悪くなります。
●新鮮な野菜、玄米、玄米発酵食品、大豆


4.食物繊維を充分に取り、便秘を予防します。
●野菜、海藻、玄米

5.抗酸化力の高い食品を取ります。
●野菜、海藻、玄米、大豆、ごま
抗酸化についての詳細はこちら

6.たんぱく質を十分にとり、肝細胞の再生を促します。
●大豆、納豆、豆腐、大豆製品、しじみ、魚介類

7.タウリンは肝機能を高めます。
●しじみ、あさり、タコ、イカ

8.グルタチオンは、肝機能を改善する。
●ブロッコリー、タラ

9.クルクミンは、解毒機能を強化する。
●うこん、カレー粉

10.ビタミンCは抗ウイルス作用があります。
●小松菜、カリフラワー、ブロッコリー、ピーマン、レンコン
※ただし、慢性化しやすいC型肝炎の場合は、取り過ぎに気をつけましょう。鉄の吸収が よくなり過ぎ、肝硬変になるリスクが高まります。

11.副食は「ま・ご・わ・や・さ・し・い・こ」を上手にとりいれましょう。
●まめ、ごま(種実類)、わかめ(海藻)、やさい、さかな(魚介類)、しいたけ(きのこ)、いも類、発酵食品

控えめにしたい食品


1.動物性脂肪(脂身の多い肉、乳製品に含まれる)は、肝臓に負担をかけるため控えめにしましょう。

2.脂質の多い食品を控えましょう。(油料理、揚げ物、スナック菓子など) 特に黄疸のあるときは制限します。

3.加熱した油脂、古くなった油脂は過酸化物を含み、肝臓に負担をかけるので避けます。

4.白砂糖、香辛料(胡椒、唐辛子)は控えめにします。

食事と生活習慣のポイント



1.原因(肥満、アルコール、糖尿病、ウイルス)の克服を図るようにします。

2.腹八分目を心がけ、体重のコントロールをします。
体重のコントロールについての食事法はこちら

3.アルコールは原則として禁止、急性肝炎は厳禁です。タバコも禁止します。

4.食後は安静を保ちます。規則正しい生活を送るようにし、食事時間を規則的にしましょう。

5.偏食、早食いをしないように注意しましょう。

6.過労やストレスを防ぎましょう。

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