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骨粗鬆症

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監修

医学博士 根本英幸
管理栄養士 石井尚美

骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症では、骨の形成より分解が上回るために、骨量が減少し、骨の中部がスカスカになってしまいます。加齢とともに骨量は減少していきますが、特に女性は閉経に伴い骨量が減少しやすくなります。自覚症状はほとんどありません。食生活に気を付けて、骨粗鬆症を防ぎましょう。

おすすめの栄養成分と食品


1. 食事からカルシウムを充分に取ります。
●大豆、大豆製品、えんどう豆、生揚げ、ごま、小松菜、菜の花、モロヘイヤ、干しえび、海藻


2. 大豆イソフラボンは、エストロゲン様作用の活性があり、骨の健康に役立ちます。
●大豆、大豆製品


3. カルシウムの吸収を良くするためにビタミンDを取ります。
●身欠にしん、さんま、うなぎ、まぐろ、鮭、かれいなどの魚介類、干し椎茸


4. カルシウムとともに重要なマグネシウムを多く含む食品を取ります。
●小魚、しらす干し、ひじき、ごま、アーモンド、玄米、玄米発酵食品


5. 主食は未精白穀物にします。
骨の代謝に必要なビタミンB群が豊富に含まれています。
●玄米や分づき米、白米+玄米発酵食品、全粒粉で作ったパンや麺類、そば


6. ビタミンKは骨からカルシウムが溶けるのを抑える働きがあるので、積極的に取ります。
●ブロッコリー、ほうれん草、納豆、モロヘイヤ、菜の花


7. 骨を強くするコラーゲンを合成するために、たんぱく質とともに、ビタミンCと鉄を一緒に取りましょう。
●海藻サラダ、ひじきの五目煮


8. 副食は「ま・ご・わ・や・さ・し・い・こ」を上手にとりいれましょう。
●まめ、ごま<種実類>、わかめ<海藻>、やさい、さかな<魚介類>、しいたけ<きのこ>、いも類、はっこう食品


控えめにしたい食品


1.砂糖を多く含む食品、菓子類は控えめにしましょう。カルシウムの吸収を阻害し、骨のコラーゲンの糖化につながり、骨をもろくします。

2. アルコール飲料、カフェインの多い飲料はカルシウムの排泄を促すので控えめにしましょう。

3. 食塩は控えましょう。過剰摂取は、カルシウムの尿中排泄を促進させます。

4. リン酸塩などの食品添加物が多く使われている加工食品を控えましょう。 リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を抑制します。(ウインナー・ハムなどの食肉加工品、練り物などの水産加工品、インスタント麺など) リンを添加していない加工食品を選びましょう。

5. 脂肪やたんぱく質の過剰摂取は、カルシウムの吸収を妨げるので注意しましょう。 牛乳は、カルシウムの含有量は多いのですが、乳脂肪や乳たんぱく質も同時に多く含まれるので、摂り過ぎには注意しましょう。

食事と生活習慣のポイント


1. 適度な運動を行いましょう。 運動は骨に刺激を与えて強くします。ただし過度の運動は、体重が減りすぎてカルシウムも減るリスクもありますので、注意しましょう。

2. 適度に日光に当たりましょう。 紫外線により、カルシウムの吸収を高めるビタミンDの前駆体である7-デヒドロコレステロールが、皮膚でビタミンDに変わります。

3. 過労、精神的なストレスを減らしましょう。 高齢で胃の消化力が落ちたり、食欲がない場合は、胃の働きをよくすることを心がけましょう。
胃のトラブルの方向けの食事法はこちら

骨粗鬆症のリスクチェック


危険因子をチェックして、あてはまる数が多いほど骨粗鬆症になる心配が高まります。


1. 女性である…男性もならないわけではありませんが、男性に比べて生まれつき骨が細いのと、妊娠、出産でカルシウムを使います。

2. 閉経後である…若くてもなりますが、特に女性ホルモンが更年期に急に減少します。

3. 高齢である…お年寄りの腰痛の原因で一番多いのが骨粗鬆症です。高齢で胃の消化力が落ちている場合は、胃の働きをよくすることが必要です。
胃のトラブルの方向けの食事法はこちら

4. 近親者に骨粗鬆症の人がいる…必ずしもなるとは限りませんが、遺伝的体質を持っています。

5. やせている…骨に対してかかる重さが少ないので骨が強くなりにくいです。太っている人のほうが女性ホルモン(エストロゲン)がたくさん出ます。

6. 運動量が少なく筋肉の発達が悪い…運動は骨に刺激を与えて強くします。寝たきりになるとカルシウムとリンが骨から抜け出し、腎臓も悪くなります。

7. カルシウムの取り方が少ない…過激なダイエットをしてはいけません。

8. 脂肪、たんぱく質、砂糖、塩をたくさん取っている…カルシウムの吸収を阻害します。

9. リン酸(加工食品)を取り過ぎる…腸の中でカルシウムと結合し、吸収を阻害します。

10. あまり日光に当たらない…太陽の紫外線には、皮膚で7 - デヒドロコレステロールのようなビタミンD前駆体をビタミンDに変える働きがあります。

11. 下痢をしやすい、または胃腸の手術をして吸収力が悪い。

12. 副腎ステロイドやホルモン剤、ある種の利尿剤を服用している。

13. タバコをたくさん吸う…カルシウムの吸収を抑制します。

14. お酒をたくさん飲む、カフェイン飲料をたくさん飲む…カルシウムの尿中排泄を促進します。

15. 過労や精神的なストレスが強い…過激な運動(マラソンなど)は体重が減りすぎて神経性食欲不振症と同じ理由でカルシウムが減ります。

16. 腎臓の病気がある。(骨軟化症)
腎臓のトラブルの食事法はこちら

17. 副甲状腺機能亢進症がある。(血液中にカルシウムが高くなる)
甲状腺のトラブルの食事法はこちら

18. その他の病気…免疫異常、膠原病(こうげんびょう)、リウマチ、神経性食欲不振症。
リウマチの食事法はこちら




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